瑠璃一味のお戯れな学園生活
もう一度、今度は胴を仕掛ける久遠。

しかしこれも。

「追走曲(カノン)」

酷奏丸の剣撃で竹刀を弾きつつ、籠手打ちで返す。

今度は竹刀を落とさなかった久遠。

だが右手は赤くなっている。

繰り返し打たれれば、いずれ打ち身は打撲となり、最悪骨折するだろう。

それでも久遠は恐れない。

苦悶の表情を浮かべつつ、必死に琴子に食い下がる。

「何だ何だ、その程度でへばるのか?そんな打ち込み、俺なら痒ィぜ」

龍之介が野次を飛ばす。

それは貴方が臥龍だからです。

「SSB!久遠を茶化すなですの!」

鋭く叫ぶ琴子。

「そうだよ龍之介、真剣にやってる久遠先輩に失礼だよ。それに…」

正座したまま、孔雀は真っ直ぐに久遠を見た。

「確かに技量は劣るけど、琴子さんの打ち込みにも諦めずに食い下がる…ひたむきさは、不殺を旨とする新生琴月に相応しいんじゃないかな」

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