瑠璃一味のお戯れな学園生活
箱越しに目を擦る鈴木さん。

その瞳は、久遠と琴子に向けられる。

…彼らの傍らにも、少年が立っていた。

先程の龍乃と名乗った少女と同じくらいの歳。

元結で結んだ黒く艶やかな髪、切れ長の瞳は金色。

長身で、久遠よりは低く琴子よりは高い。

右手に携えているのは、あれは琴子の酷奏丸か…?

夢か現か幻か。

少年は名乗る。

『不殺の琴月流剣客、音無 刹那(おとなし せつな)と申します。やがて来たるべき時に、鈴木先生とはお会いする事になるでしょう』

(刹那さん、貴方も…?)

『本日はご挨拶までに…御免』

礼儀正しく一礼して踵を返した刹那もまた、陽炎の如く姿を消す。

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