瑠璃一味のお戯れな学園生活
「ひろいおへやなのーっ」

すずが畳の上をでんぐり返りする。

夕城邸の離れ。

鈴木さんの隣で七星が見たのは、それはそれは広い部屋だった。

中庭に面しているので縁側つき。

部屋は宴会が出来る広さのものが四つほど。

鈴木さん、七星、すずの部屋がそれぞれ確保できて尚余りある。

「というか、こんな広い部屋に一人で寝るのなんて怖いかも…」

「では、すずとワタクシと一緒に川の字で寝るとよいです、ハイ」

鈴木さんが七星の肩をポンと叩く。

縁側もあるので、お茶を飲みながらまったりしたり、日暮れの景色を楽しんだり。

「夏はここで線香花火出来るよ、すずちゃん」

「しぇんこーはなびぃっ」

七星の言葉に、すずが、ほにゃっ、と顔を綻ばせた。

子供を育てるのに非常によい環境だ。

鈴木さんの斬殺と、七星と旦那の小競り合いを見せないようにしなければ。

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