瑠璃一味のお戯れな学園生活
勿体無いなと、リィは思う。

リィなんて、精一杯頑張ってキスはしたけれど、もう当分は積極的に出られない。

だって恥ずかしいもの…。

今は十分満足だし、後は弁髪をいつものように握ったり、まぁ欲を言えば手を繋いだりできれば幸せ。

だけど野菊は、その気になればもっともっと、シンを惹きつける事が出来る筈なのだ。

「勇者の修行の邪魔…しちゃえば…?」

「えっ?」

ビックリした顔をする野菊に、リィはクスクス笑う。

「シンの邪魔して、色々しちゃってもいいんじゃないかな…」

「で、でも、シン君の目標なのに」

らしくない事を言う野菊。

シンはシンで必死だ。

早く立派な勇者になりたくて、主治医の先生に弟子入りしたという話も先日聞いた。

勿論自身の為でもあるだろうが、リィやシルヴィ、そして野菊の為でもある。

大事な人を護る為。

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