瑠璃一味のお戯れな学園生活
昨夜気合を入れて作ったチョコの入った箱を、片手でズイッ、と瑠璃の前に差し出す。

「くくくくく、くえっ!」

「えーっ、鬼龍ちゃん、兄様にチョコくれるんだぁ?」

きゃーっ、てな感じで本人以上に喜ぶめのう。

「そそそそ、そうアル!ちょきょアル!」

噛むし呂律回ってないしで、チョコが言えていない。

「お、俺にか…?」

バレンタインなど自分には無縁だと思っていたのに。

ようやく己の置かれている状況を理解し、瑠璃も赤面する。

「鬼龍ちゃんさあ…もしかして、本命チョコ??」

口許に手を添え、ぷぷぷ、と笑うめのうに。

「なななな、なにをいうか、めのうひゃん!」

滑舌の悪さ、最高潮。

「ほんみぇーちょきょなものか!」

鬼龍は叫ぶ!

「ちちちょきょだっ!」

…………。

翻訳すると、義理チョコと言いたかったらしい。

「乳チョコ?」

首を傾げるめのう。

出たよ、バレンタインの新ジャンル。

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