瑠璃一味のお戯れな学園生活
マテバ6ウニカには『銃身が下部にある為に照準軸と射線軸が離れており、僅かに狙いがずれただけで着弾点が大きくずれてしまう』、『銃身の跳ね上がりを抑えるが、反動は大きくなる』という欠点がある。

こんな癖のある拳銃を使っているのも、父の虎次郎が昔からのマテバの愛用者であるが故なのだが、まだ成長期で体も小さい霸龍闘には、マテバは使いこなせていない。

以前は瑠璃を仕留め切れない事の言い訳にしていたのだが、それを龍娘に話した所、『修行不足を得物のせいにするな』と叱られた。

以来、どんなに苦戦しても霸龍闘はマテバを手放さないし、言い訳にもしない。

「くそっ、まだ瑠璃には勝てないか」

悔しげにマテバをホルスターに収める霸龍闘。

「……」

瑠璃もまた、不服そうに納刀する。

決闘の度に、追い詰められているような気がする。

瑠璃にとってもまた、霸龍闘は手強いライバルだった。

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