瑠璃一味のお戯れな学園生活
当然、黒爪は静かに怒りを湛える。

如何に夕城一派の次期宗主とはいえ、ここまで愚弄されては黙っている訳にはいかない。

黒爪とて、黑社會に名を轟かせる職業兇手だ。

物言わぬまま一気に間合いを詰めて。

「!」

瑠璃の顔目掛けて前蹴り!

何の変哲もない蹴り。

めのうや鬼龍ら体術に優れた者達に匹敵する技だが、逆に言えばそれらを見慣れている瑠璃に回避できぬ事はない。

父の翡翠直伝の見切りで蹴りを紙一重で避け、カウンターで強烈な刺突『象牙(ぞうげ)』を繰り出そうとした瑠璃は。

「!?」

黒爪の靴の爪先から飛び出した鋭利な刃物によって、眼球を貫かれそうになった。

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