瑠璃一味のお戯れな学園生活

「だけどな」

湯船の縁に体を預け、虎次郎は霸龍闘を見た。

「だからこそガンマンはいいんだよ。限られた弾丸、懐に入られれば絶対的不利…だから一発一発に命を懸ける事が出来る。どうやって命中させるか、どれだけ早く撃てるか…速ぇの遅ぇの上手いの下手の、そんな益体もねぇ事に命を懸けるのが拳銃使いってもんなんだ」

「……」

髪の毛を洗う手を止め、霸龍闘は父の顔を見る。

まだ霸龍闘達が生まれる前。

天神学園武闘派教師陣において、虎次郎は龍娘や翡翠に比べると、正直実力では一歩劣る存在だった。

しかしそれでも虎次郎は、今も一拳銃使いを続けている。

使いようによっては不利な武器、弾切れという制約の付き纏う武器。

それでも尚ガンマンを続けるのは、拳銃という武器に、そしてガンマンだという事に誇りを持っているからなのだろう。