通学恋愛
しばらくして、ドアが勢いよく開いた。


「は、はい?どちら様?」


鼻声で、なおかつガラガラな声。


「しゅん…た」


「えっ、渚!?なんでいきな…ゲホッゲホッ…うぅ…」


「大丈夫?お見舞いに来たんだけど…今ひとりなの?」


「オレんちは、両親が一日中共働きだから、ひとりだよ、ゲホゴホッ…」


ドアにもたれかかりながら、駿太はだるそうに答えた。


白のTシャツにゆるいズボンだけのシンプルな格好だったけど、それでも、汗びっしょりだった。


顔もなんか赤いし、涙目。


「ジャマじゃないなら、ちょっと入っていい?寝た方がいいって!」


「入る分にはいいけど…カゼがうつんぞ…」
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