通学恋愛
「シュンくん?」



胸が一気にざわついた。



なんで止まるの?



なんでうつむいてるの?



「…渚」



「なに?」



変な距離に立たされたあたしは、シュンくんを見ることしか出来ない。




「あのさ…」




立ち止まるあたし達の横を、自転車に二人乗りしたカップルが、幸せそうに笑いながら坂を下っていった。



しばらく続く沈黙。



あたしがなにか言おうとした時、シュンくんが口を開いた。

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