悪魔なのは…
「俺は警察に正義なんて求めてません。ただ…犯人を捕まえるためには、警察になるしかないですから」
結果としては、その思惑は外れてしまい、捜査からは外れた部署への配属となってしまったが。
「もし、君にやる気があるのならば…特殊班に入らないかい?」
「…特殊班?」
ついさっき高木から聞いた単語に、達輝は首を傾げた。
「そうだ。聞いたことがあるかね?」
「えぇ。確か、近藤が特殊班に所属してるとか」
「そうだ。近藤くんも一員だ。どういった部署か聞いたことは?」
「いいえ、どういった部署なんですか?」
「…ふむ。実はな、その真の内容は一部の人間しか知らされていないのだ。知っている人間も、全て契約を結ばされていてね…迂闊に喋ることが出来ない」
「…はぁ。ということは、契約を結ばなければ、特殊班の実情を教えて頂けないってことですね?」
「そういうことになる」
「…一宮さんは…いや、一宮警視は俺にその特殊班への諜報を?」
「いやいや!」
違うとは知りつつも尋ねてみれば、一宮は笑いながら否定した。
やはり、達輝の考えていた通りであった。
「実情も知らないのに、契約を結ぶなんてこと出来ませんよ。どのような契約かも知りませんが」
思わず声音が冷たくなった。
だが、何も教えて貰えないところに、はいそうですか、と入れる筈がない。