悪魔なのは…
どれくらい待っただろうか、そろそろ大人しく待つのが苦痛になってきた頃、扉が開く音がした。


「ただいま…って、あれ?お客さん?」


声がした方に視線を向けると、そこにはオレンジ色のメッシュが入った青年がいた。
その瞳は、カラーコンタクトか生まれつきか…。薄い水色の瞳であった。

目の前の金髪の青年も、ゲームから顔を上げた。


「ラルクお帰りー、ちょうどイイや、コイツ新しい契約者だって」

「契約者?特殊班の?」


コイツ、と指を差され、ラルクは首を傾げながら、こちらに歩みを進めた。


「珍しいね?この時期に新人だなんて」

「彼は非常に優秀な班員になれると思うよ」


その一宮の台詞に、こちらを向いたラルクと視線が合い、ペコリと頭を下げた。


「へぇ?それで、ラグノ、どこまで話進めたんだよ?」


金髪の青年はラグノと言うらしい。
隣に腰掛けながら言われた台詞に、ラグノはヘラッと笑った。


「なーに言ってんだよ、俺書類関係ノータッチ」

「え?でも、話ぐらいは進めてるんじゃ…」

「まさか!ヒナに頼もうと思ったら、お取り込み中だったからさ、待ってて貰ってんの」

「おいおい…」

「それに、契約結んでからじゃねーと、話せないことのが多いし?」

「それはそうだけどさ…自己紹介とかは?」

「あ、まだしてねーや」

「まだ!?」

「まだ」

「全く…」


ラルクは呆れたように額に手をやった。
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