中学生の平凡な恋事情


『なに、これクラスに運ぶの?』


「あ、うん」


『ふーん………貸して』


「えぇ?!いや、いい!!」


『え………別にいいよ……
 貸せよ、ふらついてんだから』


ふらついてるのは知ってる

確かに分かってる


けど、自分で持てるし!!


『あ』

「え?」


いきなり佑斗は右を指差した

なんだろって思ってつい、見てしまった


『よっと』


「あー!!」


よそ見した瞬間ひょいっと数学のワークを
持ち上げられてしまった



「いいよ!私運ぶから!!」


『…………』


無視かい……


< 153 / 202 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop