あぁ、愛しの執事様
誰かが机の隣に現れて影が出来る。

声で誰かは、わかったけど顔を向けて確かめた。

「龍太…」

満面の笑顔を向け、手には購買で買ってきたパンを持つ人物ー松田龍太(マツダリュウタ)。

バスケで鍛えた体は程良い筋肉がついている。

短めに切った髪は、ワックスで固めてツンツンしていた。

屈託のない笑顔で誰とでも仲良くなれる彼は、中学の頃からの腐れ縁ってやつだ。

「違う、違う!あんたじゃないよ」

佐衣が呆れ顔で手を横に振る。

「なぁんだ、葉香がとうとう俺の魅力に気づいたのかと思ったのに」
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