男になりたい女と女嫌いな男
2人で歩く川沿いの帰り道。
初めて出会ったあの土手でひと休み。
「ねぇ、理央」
「うん?」
川を見つめていた理央が振り向く。
「理央さ、女嫌いって言ってなかったっけ」
「そうだけど?」
「じゃあ、わたしは?」
「うーん…男?」
え?とにらむと理央がすぐに笑って訂正した。
「違うよ純。純はね…
特別な“女”」
そう言ってわたしの手をつなぐ理央。
その横顔を見ながら、思った。
わたしは理央だけの“女”でいよう…と。
【Fin】