アフターグレイ
悠太が私のことを好きなのは当たり前のことであって、揺るぎないものなのだと、思っていたの。
ーーそんなよくわからない思い込みは、いとも簡単に崩れ落ちる。
「…あのさ。」
今までこちらをチラリとも見なかった悠太が、初めて足を止めて私を見た。
場所はすでに中庭。
悠太のおっきな目は、合うとドキンとする。
本当はドキドキしてその場で落ち着いて立ってるのもやっとなくせに、そんな気持ち見透かされたくないから、悠太の目を真っ直ぐ見つめ返した。
私は、そういう人だった。
だから、ダメだったのかもしれない。