君想歌
こんなに和泉の表情が
変わるなんて珍しすぎる。


「どーしたんだよ和泉。
帰ってきた時、
あんなに嬉しそうにしてたのに」

和泉は新選組以外の誰かと
交流することは皆無と言っても
可笑しくない。


その和泉が外出から屯所へと
戻ってきた時。

楽しい事があったに違いないと
見てとれるくらい明るかった。


「私がいつも時間潰しする所に
……先客が居て。
会話するうちに結構
仲良くなったんだけど。
次会う約束するの忘れた」


あー!と頭を抱えて叫ぶ和泉に
重症だ、と藤堂は嘆いた。


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