君想歌
三番隊の組長、斎藤一と並ぶ
大人びた性格を持ち合わせる
和泉。


常に冷静沈着。

奇襲を仕掛けられても
的確な指示を考える間も無く
次々に出し隊士を動かす。


小路で歩調を緩めた和泉は
表情を変えると声をあげた。


「ここからは別れましょう。
一番隊は長州藩邸の方へ
足を伸ばしてみましょう」

和泉の明るく通る声に
隊士たちは散っていく。

一番隊を動かすのは
和泉の役目と言っても
過言ではない。


「じゃあなっ!!
また屯所で会おうぜ。
まあ、そいつとはまた会えるぜ」


和泉の肩を元気付けるよう
ぽんっと叩く。

藤堂は隊士を引き連れて
逆方向へと向かって踵を反した。


「もーう平助とばっかり話して!
和泉はズルいです」


ぷくぅと頬を膨らませる
沖田を見て撫でたい衝動に
陥るがそこは抑える。

可愛いなんて口にしたら
稽古でメタメタにされる事、
間違いなしだろう。


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