君想歌
緩慢な動作で手を撫でていた
栄太郎は満足そうに口元に
笑みを浮かべた。



和泉を離したくない。

否、離さない。

他の誰にも渡しはしない。



……あぁ。

俺は和泉に随分と酔って
しまっているみたいだね。


もしも彼女という存在が、
消えてしまったら俺は
どうなるのだろう?


きっと。

また暗がりに囚われてしまう
だろう。


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