君想歌
「わぁぁぁあ!!」

「……くっく」


突然の行動に沖田は肩を震わす
和泉の後ろに隠れる。


飼い主に捨てられた
仔犬のような姿に
和泉は可哀想になり、


「総司、あれ本当は……」


小声で仕組みを話す。

目を点にした沖田は、
ぱちぱちと瞬きをすると
吹き出した。


「そういうことですか。
僕、乗ります」


土方に言わずに反応を
楽しむ。


意外に腹黒い二人である。


「なぁにコソコソしてやがる」


鼻で笑った土方だが。


からかう道具にされているなど
微塵も疑っていない。


< 172 / 633 >

この作品をシェア

pagetop