君想歌
半刻に渡る土方の説教に
正直逃げる気も失せた。


栄太郎に言うのには勘弁して、
と言うと「は?」と真顔で返され
やっと山崎に騙された事を
自覚した。


そして只今、沖田と言う名の
束縛器具が付けられております。



ワイワイと皆が騒ぐ中、
一人浮かない顔をしている
人物が。


言わずとも和泉である。


「信じられない!!」


「何がですか〜?」


和泉の叫びに呑気に沖田は
問いを返す。


お腹に手を回されている為に
身動きは上半身しか出来ないが。


「総司!!離せ!!」


「駄目ですよ。
局長命令ですもん」


頬を膨らませた沖田は尚更、
腕に力を入れる。



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