君想歌
頭を傾げて何いってるの?と
疑問符を浮かべている和泉を
吉田は面白そうに眺める。


この子は危機感って物を
持ち合わせてるわけ?


俺だからなんて無防備だと
襲っちゃうよ?

俺だって男なんだから。

大体、好きな女を前にして
我慢できる方が珍しい。


それに人一倍、俺は独占欲が
強い。


ここまで和泉に口付け以外で
手を出さなかった事を褒めて
ほしいぐらいだよ。


「変態」

吉田の視線を受け和泉は呟く。


「和泉が居る所の方が
変態の巣窟だと思うけど」


さらっと返ってきた言葉で
思い出す。


栄太郎に口で勝つのは不可能だ。


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