君想歌
*沖田総司*


今日は甘味を食べるお金が
無いので町に出れません。


和泉におごってもらおうと
思って居たのに。

先手を打たれてしまいましたし。

土方さんの部屋へお邪魔して
お小遣いをねだりますか。





「土方さーん!!
お小遣いください」

「ふざけんじゃねぇ。帰れ」

入って間もないまま。
一蹴されちゃいました。

部屋に入る前に声掛けろ、
なんて言い飽きた言葉に適当に
相槌をうつ。

「そういや和泉の奴、
やっと女らしくなったぜ。
くくっ。好きな奴が居るんだと」

今後の展開が楽しみだと
煙管片手に笑う土方さんに
僕は詰め寄る。

「えっ!!誰ですか!!
組内の人ですか?」

「はっ、知らねぇな。
組内じゃねぇだろ。
本人に聞け。つか出てけ。
おめぇが居るから仕事が
進まねぇんだよ」

煙を吐き出した土方は
左手をぱっぱと振る。

どうしてでしょう……。
とても胸が痛いです。

和泉が他の男に向かって
笑っているのなんか見たくない。

僕の隣だけで笑ってて
欲しいんです。



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