君想歌
そんな心中の土方を知らず
二人はお互いに勝手に
理解して食事を続ける。
和泉は沖田が甘味の食べ過ぎで
お腹一杯だと。
沖田は体調が悪いらしいと。
要するに。
二人とも鈍感なのだ。
「おーい。
和泉、手が空いたら
俺の部屋に来い」
「了解しましたぁ」
土方に間延びした返事を返すと
和泉は口にご飯を詰め込んだ。
「瀬戸です。副長、何か?」
乱れた服装は直し廊下に
正座する彼女を中に招き入れる。
大方、仕事の命令だと
思ったのだろうが違う。
「やっぱり女だな。
恋をすると色気が増すってのは
本当なんだな」
和泉の上から下まで幾度か
視線を動かした土方は
くくっと喉で笑う。
「なっ!?何ですか!!」
ぱっと和泉の頬に朱がさし、
動揺を隠すように声を上げた。
「ん?間違ってねぇだろ」
片膝を立てて煙管を手に持つ
土方の方が数倍以上も
色っぽいでしょうが。
と、言ってやりたいが
倍返しが恐いので止めておく。
「で、用事は何ですか。
いきなり呼び出して」
面倒になってきたのか
話題を本来の目的に戻す。
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二人はお互いに勝手に
理解して食事を続ける。
和泉は沖田が甘味の食べ過ぎで
お腹一杯だと。
沖田は体調が悪いらしいと。
要するに。
二人とも鈍感なのだ。
「おーい。
和泉、手が空いたら
俺の部屋に来い」
「了解しましたぁ」
土方に間延びした返事を返すと
和泉は口にご飯を詰め込んだ。
「瀬戸です。副長、何か?」
乱れた服装は直し廊下に
正座する彼女を中に招き入れる。
大方、仕事の命令だと
思ったのだろうが違う。
「やっぱり女だな。
恋をすると色気が増すってのは
本当なんだな」
和泉の上から下まで幾度か
視線を動かした土方は
くくっと喉で笑う。
「なっ!?何ですか!!」
ぱっと和泉の頬に朱がさし、
動揺を隠すように声を上げた。
「ん?間違ってねぇだろ」
片膝を立てて煙管を手に持つ
土方の方が数倍以上も
色っぽいでしょうが。
と、言ってやりたいが
倍返しが恐いので止めておく。
「で、用事は何ですか。
いきなり呼び出して」
面倒になってきたのか
話題を本来の目的に戻す。
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