君想歌
長く息を吐いた土方に
煙がこもる前に後ろの襖を
少し開ける。
酷いときなど部屋内が
真っ白になる程まで放っておく。
そんな時に報告に来た時など、
運が悪いとしか言いようが無い。
「なぁ。
総司んことどう思ってる?」
土方の問いにきょとんとするも
考える間も無く、
「手の掛かる兄、ですかね。
総司は幹部の中でも一番に
仲良くしてくれるし。
大切な仲間だと思ってます」
「それは、あの時が
あったからか?」
土方の口から出た言葉に
和泉の眉が不愉快そうに
僅かに寄った。
「違います、けど」
きっぱりと否定した和泉に
土方の口端が上がる。
「分かった。もう良いぜ」
一体何が言いたかったんだ
土方は。
総司の事をどう思っているか?
そんなことを聞くのが目的か?
新選組の頭脳である土方を
認めてはいる。
だが、たまに何を考えているか
分からない時がありもする。
江戸から訪れた土方たちとは
違う。
沖田と土方の引き抜きで
入隊をした。
だから元は京のしがない町娘。
武士になるなど頭の片隅にも
転がってない。
仇討ちがしたいから新選組に。
幼き頃から父に習いし
守る為の剣術を生かした。
一番、最低で最悪な生き方だ。
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煙がこもる前に後ろの襖を
少し開ける。
酷いときなど部屋内が
真っ白になる程まで放っておく。
そんな時に報告に来た時など、
運が悪いとしか言いようが無い。
「なぁ。
総司んことどう思ってる?」
土方の問いにきょとんとするも
考える間も無く、
「手の掛かる兄、ですかね。
総司は幹部の中でも一番に
仲良くしてくれるし。
大切な仲間だと思ってます」
「それは、あの時が
あったからか?」
土方の口から出た言葉に
和泉の眉が不愉快そうに
僅かに寄った。
「違います、けど」
きっぱりと否定した和泉に
土方の口端が上がる。
「分かった。もう良いぜ」
一体何が言いたかったんだ
土方は。
総司の事をどう思っているか?
そんなことを聞くのが目的か?
新選組の頭脳である土方を
認めてはいる。
だが、たまに何を考えているか
分からない時がありもする。
江戸から訪れた土方たちとは
違う。
沖田と土方の引き抜きで
入隊をした。
だから元は京のしがない町娘。
武士になるなど頭の片隅にも
転がってない。
仇討ちがしたいから新選組に。
幼き頃から父に習いし
守る為の剣術を生かした。
一番、最低で最悪な生き方だ。
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