君想歌
触れて欲しくは無い話題を
変えるように和泉は話し出す。


「ねぇ。丞くんは、局中法度。
どう思う?」

昨日より欠けた月を見上げるも
それはすぐに雲に隠される。


「組をまとめる為に作ったんやろ?

結果も出とるんや。
ええんちゃうんか」


「でもさ。
組を統率するのを理由に
厳しい掟をつくる。
良いかも知れないけど、
限界が来て壊れるのが
免れないのならば?」


山崎を見上げ問い掛ける口調で
言った和泉。

山崎は口を閉ざして
ゆっくり考えを巡らせる。


「また新しい掟を作り直せば
ええんちゃうか?」


「それだと同じ事の繰返しで
何の解決にもならないよ」


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