君想歌
「要はお前が風邪を早く治せば
一緒に居る時間も増えんだよ」

呆れ混じりの土方の言葉に
唇を尖らせる。


沖田が仕事に復帰すれば。

和泉が仕事に携わる時間も
少なからず減る。

となれば。

和泉の自由時間も増える。


その時間を沖田と居る時間に
すれば充分なはず。


「忙しいんだ。早く治せ。
副長命令だ」


「横暴です!!」


沖田の態度に土方は面倒になり
一方的な要求を押し付けた。


遠ざかる足音を聞きながら
沖田は天井を見上げる。


「暇ですね……。
早く和泉帰って来てくださいよ」


気だるい身体に溜め息をつくと
沖田は目を閉じた。


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