君想歌
店員に案内された席は
店の一番奥。

店内はかなりの客で
賑わっている。


「結構繁盛してるようですね?
味が楽しみですっ」


嬉々とした表情の沖田と和泉は
向かい合わせになるようにして
腰を掛ける。


店に入った直後に上がった
悲鳴に似た歓声は気にしない。


それに総司の注文の数に
絶句するだろうしね。


「すいませーん!!
みたらし団子と大福。
それとお汁粉十個ずつ
お願いしまーす!」


沖田の注文に店内が一瞬
静まったのは予想道理、だ。


毎度毎度。


行きつけの甘味屋で無い限り
このような状況になる。

何度も付き合わされる和泉は
もう慣れっこだ。


それと余談だが。

土方がこの場に居たら
お代はすべて彼持ちになる。

< 5 / 633 >

この作品をシェア

pagetop