君想歌
一歩後ろを歩く和泉は
強い日差しに目を細める。


顔も知れた新撰組の幹部を
白昼堂々襲う馬鹿も居るまい。

和泉の腰には刀は差されて
いなかった。


あれ以来、必要最低限は
刀を持たなくなった。


いざとなれば体術もある。

それに前二人は一瞬にして
敵は倒すだろう。


「きゃっほーい!!」


土手を走り下りた藤堂は
ばっしゃーん、と派手に
水飛沫をあげ川に飛び込む。


藤堂に続いて沖田も飛び込み、
川遊びをしていた子どもの輪に
交じり始めた。

陽が遮られる橋の下で様子を
見ながら和泉は涼む。


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