君想歌
そっか、と頷くと帯に差した
玉簪を抜き取る。
「綾が栄兄ちゃんに着いて行って
買った簪!!」
小間物屋に入り決めたが
買う勇気は無く。
結局綾に頼み込んだらしい。
「あはは、本当?まったく」
困る姿が目に浮かぶ。
毎日、まだ陽も昇らぬ時刻に
稔麿のお墓に手を合わせる。
女の格好で、だ。
今日のご飯が美味しかったとか
どうでも良い話をして帰る。
不思議と道で襲われないのは
やはり稔麿が守ってくれて
いるからだろうか?
なんて最近思ってしまう。
.
玉簪を抜き取る。
「綾が栄兄ちゃんに着いて行って
買った簪!!」
小間物屋に入り決めたが
買う勇気は無く。
結局綾に頼み込んだらしい。
「あはは、本当?まったく」
困る姿が目に浮かぶ。
毎日、まだ陽も昇らぬ時刻に
稔麿のお墓に手を合わせる。
女の格好で、だ。
今日のご飯が美味しかったとか
どうでも良い話をして帰る。
不思議と道で襲われないのは
やはり稔麿が守ってくれて
いるからだろうか?
なんて最近思ってしまう。
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