君想歌
夕餉後の時間空けといてと言う
山崎の願い通りに和泉は部屋で
待っていた。


「ごめんな。遅うなって」


仕事着のままで山崎は
天井裏から現れた。


文机の前に座る和泉の向かいに
山崎は胡座をかく。


「仕事だったんじゃない?
大丈夫?」

「問題ない。
副長からの提案を伝えにきた。
それだけのことや」

わざわざ仕事の話しを山崎が
伝えに来たことに和泉は当然
疑問を浮かべた。


「姉ちゃんは監察方に移動や。
今まで通りに補佐は続けてな?」

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