君想歌
信じられない!と和泉が
声を上げるも無理もない。

「これは副長の独断なんや……。
詳しい事情聞きたかったら
土方はんに聞いてな?」


ぱちんっと顔の前で手を合わし
山崎は仕事に戻っていった。


「あたた……っ」

立ち上がる際に普通に右足に
重心をかけ当たり前だが
痛みが走る。


「動くな馬鹿」

その頭が誰かに叩かれ、
反射的に後ろを向いた。

「行く手間省けた」

不機嫌そうな顔の原因は
頭に乗ったセンか。

わざわざ頃合いをみて
こちらに出向いた土方。

歩いて怪我を増やされたら
たまったもんじゃない。


和泉は先に座った土方を見て
再度座り直すと理由を問う。


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