君想歌
半ば無理矢理に部屋に
押し込まれ。


君菊によって帯がほどかれる。

あっという間に、
襦袢一枚にされると。


「和泉はん、どの着物が
ええやろか?」


後ろを向けば色鮮やかな着物が
畳に広げられていた。


「……え?」

「土方はんがな?
女らしゅうせぇへん言うて」

後ろに膝をついた君菊は
口元に人差し指をあてる。

女の子らしゅう着物
着せてあげたい言うてな?


君菊の言葉に和泉は驚く。


後で土方に礼を言わなきゃな。


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