君想歌
*斎藤一*
部屋を見回すと和泉の姿が
見当たらない。
何処に行ったのだ。
厠か?
あのような姿では
絡まれるのではないか?
急ぎ俺は席を立った。
部屋から出ると葉月屋の中を
歩き回る。
案の定、酔っぱらい二人に
和泉は廊下で絡まれている。
「離してってば!!」
ずるずると引きずられる和泉を
助けるべくと俺は歩みを早めた。
しかし。
「ねぇ君たち。
俺の女に何してるの?」
真っ黒い空気を漂わせた男が
俺より先に声をかけた。
*
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部屋を見回すと和泉の姿が
見当たらない。
何処に行ったのだ。
厠か?
あのような姿では
絡まれるのではないか?
急ぎ俺は席を立った。
部屋から出ると葉月屋の中を
歩き回る。
案の定、酔っぱらい二人に
和泉は廊下で絡まれている。
「離してってば!!」
ずるずると引きずられる和泉を
助けるべくと俺は歩みを早めた。
しかし。
「ねぇ君たち。
俺の女に何してるの?」
真っ黒い空気を漂わせた男が
俺より先に声をかけた。
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