君想歌
「ねぇ君たち。
俺の女に何してるの?」


冷ややかな声で男たちを
止めた男性。

って……くっ黒い!!

完璧に怒りの矛先が
男たちに向いている。


「もう一度聞くよ?
俺の和泉に何してるのさ」


鋭い視線は男が掴んだ腕に
注がれている。


「返してくれる?」


満面の笑みで栄太郎は
男たちを見る。

もちろん、目は殺すよと
訴えている。


「「すいませんでした」」


頭を揃ってさげて脱兎の如く
逃げていく男たちに呆気に
とられる。


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