Dead Love Children
3、夢
 それから月日が過ぎて、3年生になった。

 とは言っても、俺は学校を途中で辞めていたからそれはモモカのことだ。

 3年になっても別に俺達の関係は変わらなかった。

 メールか電話で俺がモモカを遊びに誘うから、モモカがOKすれば映画とか買い物とかに行った。

 もちろん変なことはしなかったし、お金は全部俺が出した。

 ちなみに、その遊びの中でも俺が一番楽しいと感じたのは、モモカとご飯を食べに行くことだった。

 ファミレスとかだから別に高い料理じゃないけど、ご飯を食べながらモモカと話していると、何でか分からないけど、俺はそれだけで元気がわいてくるような気がした。

 話の内容は色々だったけど、3年生だから進路の話が多かった。

 俺には別に夢がなかったからモモカの話を聞くだけだったけど、モモカは看護師になりたいらしく、できれば専門学校に行きたいと言っていた。

 そういうのを聞く度に、俺は、

「おお、すごいな」

 とかモモカが少しでも元気になるような言葉をかけた。

 俺に言われたモモカは、照れたような顔をして、「うん」とか「そうかな」とか言っていたけど、それからちょっとして、親にお金がないから進学はあきらめるように言われたらしく、

「私、やっぱり就職することになったよ」

 と言って泣き笑いのような表情を作っていた。

 それを聞いた時、俺は胸が張り裂けそうな気分を味わった。

 どうにかして俺が学費を出してやりたいと思ったけど、バイトのかけ持ちをして何とか一人暮らしをしている俺には、それは難しい話だった。

 親の都合で夢をあきらめなければならないなど、絶対にあってはならない話だと思った。

 悔しそうな顔をするモモカよりも俺は悔しかったから、

「モモカは悪くないよ」

 と何度も言ったけど、俺がそう言ったからといって、どこかからお金がわいてくるというわけではなかった。
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