Dead Love Children
 なぜならモモカに直接会ってそれを言い、喜ばせようと思ったからだ。

 なるべくなら何の連絡もなしにモモカに会いに行って喜んでほしかったから、

「この日に会える?」

 などという約束も特に取り付けなかった。

 会いに行くなら放課後だな、とそう思った俺だったけど、そう言えば以前モモカと会った時に、沖縄にある「星の砂」の話をしたのを思い出した。

 願いがかなうとかいうその砂をモモカは、

「ほしい」

 とそう言っていた。

 どうしようか迷った俺だったけど、この際だからもっとモモカに喜んでもらおうと思って、一人で沖縄に行ってそれを取って来ることにした。

 本当はモモカと一緒に行ければ良かったんだけど、モモカには学校があるからそれは無理だった。

 事前に星の砂がある沖縄の浜辺をネットで調べてそこまで行くと、けっこう有名らしく人がたくさん来ていた。

 取った砂を見てみると、なるほど確かに小さいながらも星の形をしていた。

 ちなみに、距離があったから沖縄には2泊した。

 星の砂を取り終わってホテルに戻ったその2日目の日、珍しくモモカから電話が来た。

 でも、俺はシャワーを浴びていたから電話に出られなかった。

 しばらく会ってなかったから心配してくれたのかな、と思って折り返し電話をかけてみたけど、モモカは電話に出なかった。

 代わりに数分後に、

「今までありがとう」

 というメールが来た。

 意味が分からなかったから、

「ありがとうって、何?」

 とメールを送ったけど、そのあといくら待っても返事は来なかった。

 妙な胸騒ぎがした。

 だから地元に帰ったら、すぐにモモカに会いに行こうと思った。
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