Dead Love Children
「何だ、それ?」

 と聞くと、

「モモカさんからの預かり物だよ」

 とのこと。まさかここで聞くとは思わなかった名前が出てきたから、

「は? モモカ?」

 と聞き返すと、

「そう、モモカさん」

 と死神はそう言った。それを受けて、

「何言ってんだ、お前。モモカは死んでるんだぞ」

 と俺。

「むしろ死んでるから、私がここに来たんだけどね」

 と死神。

「どういうことだ?」

「ありがとうだって」

「え?」

「あなたに感謝してる。私のために怒ってくれてありがとうだって。あと、自分から伝えたいことがあるからってことで、私が手紙を預かって来たの」

 そう言った死神が、俺に手紙を渡そうとしてきたところで、

「あら、タケシ君、さっきから誰と話してるの?」

 と見回りの看護師の人が俺に声をかけてきた。驚いて、

「見えないんすか?」

 と俺が聞くと、

「え?」

 と看護師の女の人。

 その反応を見て俺は、黒いローブをまとったこいつが本当に死神だと分かったのだった。
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