Dead Love Children
 俺は一方的にモモカに接触していた。

 何もない時は無理して話しかけなかったけど、イジメを目撃した時は、

「おい、やめろよ」

 とか言って積極的に介入した。それで教室の空気が悪くなると、

「どっか行こうぜ」

 とモモカを外に連れ出したりしていたから、俺がしていることは迷惑だったのかもしれないと思った。だから、

「もしかして、邪魔だった?」

 と言うと、

「邪魔って言うか」

 で言葉を止めたあとに、

「私と一緒にいるとタケシ君もハブられるよ。だからそういうことしない方がいいと思う」

 と困ったようにモモカは言うだけだったから、俺はモモカに拒絶されているわけではないのだと分かり安心した。
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