本当は誰よりも
―― 次の日 ――
『また別れたの??』
『またって・・・』
隣のデスクに座る同期の西本 舞(ニシモト マイ)に昨日別れた事を告げると、仕事中にも関わらず、仕事そっちのけで溜息混じりに呆れ顔をしている。
『だってさぁ、今年入ってもう何人目よ?』
『そっ、それは・・・』
何とか君でしょ、何とかさん、あっ、あと・・・そう言って名前を挙げながら指折り数えはじめる。
返す言葉が見つからない私は、舞が思い出す歴代の彼氏の名前を黙って聞いているしかない。