本当は誰よりも
――――――――――――――
あれは、高校三年の夏だった。
私は同じクラスの佐藤 君に恋をしていた。
だけど、私はその気持ちを伝えたい。とか、付き合いたい。とか、そんな気持ちは毛頭なかった。
何故かって?
学校特有の人気者組、真面目組等に自然にグループなるこの輪から例えるなら、佐藤君は人気者。
私は、真面目組・・・。
つまりは陽と陰。
もちろん、私は後者で。
そんな二人が共通点を持つことなど、ゼロに等しくて。
ただ、ただ、淡い恋心を抱いていれるだけで、幸せだった―――