【完】私のヒーローは学校一のイケメン君【番外編追加!】
床に先輩を押し倒した。
「ねぇ、本気なんだけど。兄貴じゃなくて俺にしない?」
顔を近づけ耳元で呟くと更に顔が赤く染まった。
「ごめんなさい、私、絋君以外、無理……」
カタカタと、ゆっくり先輩の体が震えだす。
それでハッとした。そうだ…前に、教えてくれたじゃねぇかよ。
「ごめん、なにもしないから」
頭を撫で、先輩から離れた。
とたん溢れ出す涙。
好きな女泣かせてどうすんだよっ。
「ごめんね、隼人くん…」
涙を拭いながら謝る。なんでだよ、謝るのは俺だろ。
どこまで優しいんだよ………。
「ちゃんと諦めるからさ、また仲良くして?」
「うん……っ」
ちゃんと、諦めるからさ……。
「散歩してくるな」
そう言い、部屋に一人残して家を出た。