灰色の掟
「…やっぱり気になるか、小川」

同じ分隊の小暮 健太朗(こぐれ けんたろう)三等陸曹が、駐屯地の隊舎食堂で朝食の味噌汁を啜りながら言う。

「まぁそりゃそうだわな、俺達戦術自衛隊にも少なからず関係してくる法案だ」

「え、そうなんですか?」

劉 麗華(りゅう れいか)一等陸士が焼き魚の身を器用に箸でほぐしながら言う。

「政治家の為の法案だと思っていました」

豊田 香里奈(とよだ かりな)一等陸士も頷く。

「例えばどんな風に俺達に関わってくるんです?」

三浦 和平(みうら かすひら)三等陸曹が小川の顔を見る。

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