灰色の掟
だが特殊秘匿保護法案は、悪用すればそんな事も可能なのだ。

「例えば戦術自衛隊を海外派遣と称して他国に送り込み、その実、戦争の為に出兵していたなんて事もできる…後から国民に知られた所で、特殊秘匿保護法の為に伝えられなかったで済まされる」

「……っ」

谷口が歯噛みする。

「汚すぎる…国が好き勝手にする為の法案なんですか、これは」

「国民や…下手をすれば戦術自衛隊である私達でさえ、何も知らされないままに戦争の片棒を担がされる事になっちゃうって事ですか?」

麗華も俯いてしまう。

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