春恋
目の前のロイヤルミルクティーを飲む。
ほのかな甘さが口いっぱいに広がった。
「愛美様は、私達のことなんて。突然現れた金持ちで“叔母”と名乗る人物なのでしょう。」
当たっているから黙っていた。
黒崎は優しいけど本性はみえない。
自分を引き取ると話したであろうとき、何故反対しなかったのか。
「私と叔母様の血が繋がっている、という証拠はありますか?」
「ええ、御座います。」
「なに?」
「愛美様のお父様よりDNA鑑定書、生まれたときの写真が先日送られました。」
「“先日”?」
意味がわからない。
なぜ、先日なのか。
なぜ、DNA?
「話せば長くなります。
今から18年前。