ミルクティー
「でも、」
昂は一口ミルクティーを流し込んだ。
「頑張ってた。」
"頑張ってた"
その言葉が、その一言が、私は欲しかったのだろうか。
ぎゅっと心を掴まれて、揺さぶられたような。
そうして揺さぶられて、街に輝く星たちがぼやけてゆらゆら動く。
「私、最後まで頑張れた…?」
「ああ。」
「もう、頑張らなくても、いいっ…?」
「ああ。だから…」
泣いていいよ。
本当にこの幼なじみは。
優しすぎて、涙が出てきたよ、ばか。
俯いて声を殺して泣く私の頭を、昂は少し乱暴に撫でてくれる。
そうしてしばらくした後、昂は私と向き合った。