ミルクティー
久々に合った目は、真剣で、でもどこか頼りなげに、すがるように私を見つめていた。
少しだけ、どきりとした。
なんだか知らない男の子みたい。
「な、なによ…」
視線に耐えきれなくて、なんとなくそらしてしまう。
「俺は、どんな男よりもお前のことを一番知ってるっていう自信がある。」
「ま、そりゃ幼なじみ…」
「茶化すな」
「…あい」
恥ずかしくなってつい口をついて出た発言は一蹴された。
「今回のこと、ほんとは焦ってた。
…俺の知らないお前がいる気がして。
あー、その、狩野と別れたのは正直嬉しかった。」
「え、ちょ、今までの感動は!?」
「けど、傷つくお前を見るのは辛かった。」
「!」
少し俯いた様子は、まるで私と一緒に傷ついているようだった。
「俺は、お前を傷つけたりしない。
お前がどんなことで喜ぶのか、悲しむのかも全部知ってるから。
だから、だ、から…」
「…だから?」
昂は伏せていた顔を上げ、決意をしたように、その感情を私にぶつけた。
「─俺の側に、居ろよ。」