ミルクティー
私は、昂を真っ直ぐ見返した。
「今までだってこれからだって、私たちはずっと一緒だよ。」
「…そっか。」
ふっと力の抜けた笑顔は、ホッとした反面、どこか寂しげだった。
大丈夫。ちゃんと分かってるよ。昂。
「あ、のさ」
「なんだよ。」
少し、冷たい空気を吸い込んで、深呼吸。
そして。
「待っててほしい。」
「?」
「昂に、追い付くまで。」
「!…おう。」
冷たい風。
もう撤去されてしまった遊具の跡。
思い出のミルクティーの味。
あの頃とは違う、私たち。
少し照れくさくなって、私はすっかり温くなったミルクティーを飲み干した。
広がる味と、安心感。
ちょっとだけ、ふわふわと落ち着かない気持ち。
「やっぱ、私はロイヤルミルクティーより、缶入りミルクティーの方がいいや。」
そう言って笑うと。
「なんだそれ。」
と言って、彼も笑った。
今はまだ、答えは出せないけど。
いつか答えられるようにするから待っててよ、不気味で優しい幼なじみさん。
END.