ミルクティー
先輩
「ごめん、やっぱり後輩としてしか見られない…」
古めかしいオシャレな店内に綺麗なステンドグラス。
そんな大人っぽい店内に、狩野先輩の声が響いた。
「…そっか。じゃあ仕方ないですね。」
そんな気がしてた。
「別れましょう。」
大好きな先輩。
離れたくないはずなのに、告げた言葉は案外すんなり出てきた。
「分かった。」
そう申し訳なさそうに言った狩野先輩は、静かに店を出ていった。
カランカラン…
ドアのベルが鳴った方を見るわけでもなく、私はテーブルの上に乗った、冷めてしまったロイヤルミルクティーを見つめた。
冷めてしまったロイヤルミルクティーを口に運ぶと、生ぬるい感覚が口のなかに広がり、もう飲める気がしなかった。