ミルクティー
「─今日、一緒に帰ろうか。」
「~~~っ」
もう声も出ない、といった風に装っているが、どうせそのうちぼろが出る。
放課後に会うことにして、俺は自分のクラスに戻った。
水野杏里がどんなやつなのか。
それを今日、暴いてやろうじゃねえか。
…………
放課後、自分の教室を早めに出で、水野杏里の教室に向かう。
基本的に"来る者拒まず去る者追わず"の精神である俺は、迎えに行く、なんてことはしたことがない。
しかし、今回は俺の気分が違う。
イライラするんだよ、ああいう純粋純粋言うやつ。
あの幼なじみに好かれる理由を、ねじ曲げてやりたい。
そして、俺の手に落ちた姿を見て、失望すればいい。
…純粋な人間なんざどこにもいやしないんだよ。
要は、知らしめてやりたかったのだ。
その事実を。
そのためには、上げて落とすのが一番早い。
歪んだ思考も表に出さず、俺は教室から出てきた水野杏里に声をかけた。